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JAHIS 会誌 第62号 会誌 | 一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会

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Academic year: 2018

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(1)

会 誌

(2)

目次

巻頭言 理事 田中 啓一 2

官公庁等の

ご挨拶 厚生労働省大臣官房参事官(情報化担当)経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課長

総務省情報流通行政局情報流通高度化推進室長

末岡 隆則 西川 和見 渋谷 闘志彦

4

6

8

部会長の

ご挨拶・抱負 運営会議 議長総務会 会長

標準化推進部会 部会長 医事コンピュータ部会 部会長 医療システム部会 部会長 保健福祉システム部会 部会長 事業推進部会 部長

下邨 雅一 浅野 正治 大沢 博之 髙橋 祐一 藤岡 宏一郎 高橋 弘明 青木 順

10 11 12 13 14 15 16

海外視察の報告 HIMSS AsiaPac17 視察 HIMSS AsiaPac17 視察

デンマークにおける医療保険制度・医療 ICT 化視察調査報告

下邨 雅一 田口 剛

17

28

33

トピックス 第 23 回 JAHIS 講演会&賀詞交換会を開催しました

平成 29 年度 第 26 回医事コンピュータ部会 業務報告会・特別講演 2017 年度 医療システム部会業務報告会 開催される

平成 29 年度 保健福祉システム部会 業務報告会開催 平成 29 年度標準化推進部会 業務報告会開催される HL7 セミナー開催

(1)日本薬剤師会学術大会(2017/10)

42 44 46 48 50 52 53

部会から 調査委員会活動状況と精度向上への取り組みについて

標準化推進部会 活動報告 DICOM 国際会議の日本開催

地域医療連携ネットワークの動向と標準化への取組み 教育事業「勉強会」について

岩村 浩正 福間 衡治 近藤 恵美 田中 良樹 三田村 一治

55

59

64

67

70

運営状況報告 理事会/運営会議/総務会/委員派遣ならびに協賛・後援 74

全員メール 86

会員紹介 株式会社JR東日本情報システム/ソニー株式会社/

みらい工房株式会社/株式会社 LITALICO / 株式会社 DNP アイディーシステム

(3)

一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)会 員の皆様、当工業会の活動にご理解、ご支援賜り、心より御礼 申し上げます。

皆様ご存知の通り、来たる 2025 年超高齢社会に向け、わが 国は「地域医療構想」や「病院機能の再編」、「地域包括ケアシ ステムの構築」といった医療・介護における提供体制の改革を 進めてきております。各自治体や医療機関が、その提供体制の 現状を見据えながら検討・再編を行う時期に入ったと言えま す。

本年(2018 年 4 月)に施行された医療・介護報酬同時改定 は 2025 年に向けての基盤となる改定とも捉えられ、以下 3 点 の内容が基本認識としてあげられています。

・人生 100 年時代を見据えた社会の実現

・ どこに住んでいても適切な医療・介護を安心して受けられ る社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)

・ 制度の安定性・持続可能性の確保と医療・介護現場の新た な働き方の推進

今回の改定では医療でのコミュニケーションツール等を用い たオンラインでの遠隔診療が評価対象となり、介護でもセン サーやロボットを活用した夜間見守り等が評価対象となってい ます。今後も基本認識に沿いながら新しい医療・介護の提供方 法や、新しい働き方を促進するための評価策定は進んでいくも のと思われます。

また、厚生労働省が定めた医療 ICT 分野での平成 30 年度予 算概算要求における主要事項には 2020 年稼働を目指した以下 の内容が組み込まれています。

1「医療保険分野における番号制度の利活用推進」 2「医療等分野における ID の導入」

3「保健医療記録共有サービスの実証」

4「データヘルス分析関連サービスの構築に向けた整備」 5「 全国保健医療情報ネットワークのセキュリティ対策に係

る基盤整備」

これらの基盤構築や整備を主軸とし、データ利活用の方針に 沿う内容となっております。

一方で、ガートナーのハイプ・サイクルによると、IoT、人 工知能やブロックチェーンなどは黎明期を終え『過度な期

ご挨拶

理 事 日本事務器㈱ 代表取締役CEO

田中 啓一

(4)

待』のピーク期が近づいてきており、積極的な投資が見込まれています。その期待は未来投資戦略 2017-Society5.0- の実現に向けた改革にも反映されています。

未来投資戦略における第四次産業革命(IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボット、シェアリン グエコノミー等)は、イノベーションをどのように社会へ取り入れていくかが課題となっており、金融 等で注目されているブロックチェーンは、金融業界のみならず、ヘルスケア領域にも熱い注目がなされ ております。

昨今注目が高まっている「RPA」(Robotic Process Automation)についても、ヘルスケア領域にお いては重要視しなければなりません。

まず考えられるのが、医療事務などのバックオフィスの自動化です。医療事務業務においては、診療 受付から患者の会計およびレセプト請求まで、End to End で自動化することが可能となるため、病院 全体での横断的な導入の検討が必要と考えられます。さらに、病院内全体における業務の「見える化」 を行い、医師や看護師、コメディカルの事務作業についても、RPA 化することで、医療従事者が患者 のために使える時間をもっと増やすことができるようになるでしょう。

医療業務には人が介在するプロセスが少なくなく、IT に置き換えることで大幅な効率化が実現され、 これまでに想定し得なかった新たなベネフィットが生まれる可能性が期待されます。

これら素晴らしい革新的な IT 技術があるにも関わらず、実用化・浸透・普及しない要因は、最先端 技術であるからこそ、導入に慎重にならざるを得ないことにあると考えています。

実現に向け我々ヘルスケアメーカー・ベンダーが推進役となり、その有効性を啓蒙していく必要性が あると考えています。また DigitalTwin を意識したリアルワールド、デジタルワールドを整合させる仕 組み作りを早急に行い、標準化作業はもちろんのこと、今後は保健医療福祉システム分野のみならず、 健康、フィットネス等の各業態やコンシューマが当たり前に利用できる、デファクト・スタンダードと の融合も視野に入れて、活動する時期が到来しているとも考えております。

JAHIS の会員各位におかれましても 2018 年は、2025 年というターゲットへと繋がる節目になる年 であると同時に発展のチャンスとなる年であると存じます。皆様の更なる発展に繋がるよう、当工業会 は保健医療福祉システムに関する標準化、技術向上、品質及び安全性確保を図ることを努力し、更なる 飛躍を目指してまいります。今後ともご支援、ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げま す。

(5)

一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会及び会員各社

の皆様方におかれましては、平素より厚生労働行政の推進にご

理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

健康・医療・介護分野は、ICTの利活用の推進により、

サービスの質の向上や効率化が期待されています。

健康・医療・介護分野におけるICTの利活用をめぐって

は、平成 28 年 10 月に厚生労働大臣の私的懇談会である「保

健医療分野におけるICT活用推進懇談会」の報告書がまとめ

られ、この中で、保健医療システムのパラダイムシフトの実現

に向け、患者・国民にとって価値あるデータを「つくる」こ

と、患者・国民中心にデータを「つなげる」こと、保健医療の

価値を高めるためにデータを「ひらく」ことについて提言がな

されました。

これを踏まえ、厚生労働省においては、平成 29 年 1 月に

「データヘルス改革推進本部」を設置し、同年7月に「全国的

なネットワーク構築による医療・介護現場での健康・医療・介

護の最適提供」、「国民の健康確保に向けた健康・医療・介護の

ビッグデータ連結・活用」、「科学的介護の実現」、「最先端技術

の導入」を柱とする「国民の健康確保のためのビッグデータ活

用推進に関するデータヘルス改革推進計画」を取りまとめまし

た。

現在、保健医療記録共有、救急時医療情報共有、PHR・健

康スコアリング、データヘルス分析、乳幼児期・学童期の健康

情報、科学的介護データ提供、がんゲノム、人工知能(AI)

等のテーマごとに、この計画に掲げられた各種サービスの具体

化に向けた検討を進めています。

ま た、 健 康・ 医 療・ 介 護 に つ い て は、「 未 来 投 資 戦 略

2017」(平成 29 年 6 月閣議決定)や「新しい経済政策パッ

ケージ」(平成 29 年 12 月閣議決定)等の政府方針において

も、ICTの利活用を推進すべき重要な分野の一つとして位置

付けられています。

健康・医療・介護分野でのICTの利活用を進めるに当たっ

ご挨拶

厚生労働省大臣官房参事官 (情報化担当)

末岡 隆則

(6)

ては、これらの分野における情報の電子化・標準化、安全かつ低コストで使いやすい標準化された情報

システムの開発・普及や医療情報連携ネットワークの普及等、安全かつ効率的な情報連携の基盤の整備

が求められています。

厚生労働省としては、国民がその恩恵を実感できるような形で健康・医療・介護分野におけるICT

の利活用を進めるべく、今後とも、国民、関係機関・団体の皆様方のご意見をお聞きしながら、各種の

施策を着実に実施していきたいと考えております。こうした取組を進めていく上で貴会及び会員各社の

皆様方のご協力が不可欠でありますので、引き続き、ご理解、ご協力のほどをよろしくお願い申し上げ

(7)

医療分野におけるデータの活用に向けて

保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)並びに会員企業 の皆様方には、日頃から健康・医療分野における情報化の推進 に御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

現在、政府としては、2020 年度の健康・医療・介護の ICT インフラの本格稼働に向けた基盤の整備を成長戦略の中でも大 きな柱と位置付けて、JAHIS の皆様のご協力をいただきなが ら、推進しています。データ利活用基盤を活用し、日本発のイ ノベーションを起こしていくことが重要です。

機微性の高い医療情報の利活用に特別な配慮が必要であるこ とは言うまでもありません。特に医療情報の収集は、医療情報 を提供いただく患者や医師の皆様に御理解いただきながら進め ることが不可欠です。そのためには、その医療情報を活用した イノベーションが、医療現場や個人に成果がしっかり還元さ れ、それが医療の質の向上につながることを目指すべきです。 他方で、世界を見てみると、海外ではデジタルヘルスケアの 分野への民間投資が、成功・失敗を問わず積極的に行われてい ます。それに比べて、国内では、この領域での民間の投資がも う少し積極的に進んでいくべきではないかと思っています。例 えば、米国でのヘルスケア IT ベンチャーへの投資額は日本の 数十倍から数百倍に、欧州でも日本の十倍に上るという情報も あります。このままでは、日本の医師のノウハウや患者のニー ズを充分に踏まえられていない製品やサービスが市場を席巻す る可能性もあります。世界的に見ても高い水準にある日本の医 師のノウハウや患者のニーズを踏まえた製品・サービスが生ま れてくるためにも、民間投資を活性化していかなければなりま せん。

昨年末、デジタルヘルスを推進している各国のキーパーソン と意見交換をしてきましたが、総じて日本に対して高い期待を 持っていました。1 億以上の人口に対して、しっかりした医療 サービスが提供されており、しかも一定程度標準化され、個人 情報や倫理審査など適切なプロセスを経た質の高いデータすな わち「クオリティーデータ」が集められる可能性がある日本 は、世界的にみてもイノベーションの拠点として、高い潜在性

ご挨拶

経済産業省

商務・サービスグループ  ヘルスケア産業課長

西川 和見

(8)

があるのです。

このような背景から、経済産業省としては国内に豊富に存在する健康・医療情報が、民間も含めて、 安全かつ効率的に活用され、医療の質を高めるイノベーションが実現するために何が必要なのか、検討 を始めています。医師会やアカデミア、厚生労働省や関係省庁、そして JAHIS を始めとする産業界の 皆様にも参画いただいて研究会を立ち上げ、課題整理・論点整理を行っています。

医療情報の利活用については、公共領域と競争領域に分けて議論しなければなりません。2020 年に 向けて、制度に基づいて、様々なデータをしっかり収集するいわば公共領域と、民間の投資でしっかり 活用していく競争領域があります。また、競争領域の中も、大きく 4 分野くらいあるのではないかと考 えています。

1つ目は個別化されたヘルスケアサービス、PHR 等を通じて、個人の医療情報をセキュアに活用し、 個々人の健康情報・医療情報に応じて、パーソナルヘルスケアに活用していく。逆にそのようなサービ スを通じて収集されたバイタルデータ等を含めた健康情報を、医療の現場の参考データとして返してい くようなことも考えられます。

2つ目は医療従事者どうしがリアルタイムで情報を交換するいわばプロフェッショナルバージョンの SNS のようなコミュニケーションツールです。通常の民間サービスではなく、機微な医療情報も取り 扱えるような、セキュアでしっかりしたサービスである必要があります。

3つ目は、次世代医療基盤法やその他公的なデータベース等も活用しながら、匿名情報を活用して創 薬メーカーや AI 事業者が新薬や診断補助機器を開発していく世界があります。

4つ目は、アメリカなどで進んでいる部分でもあると思いますが、医療機関や保険者の業務をより効 率化するために、医療期間・保険者と一緒になって、公的データベース等の情報を活用しながらコンサ ルティングサービスを提供するものがあると思っています。

この 4 つくらいの領域に分けて、それぞれに、日本または世界でどんなサービスがあるか。それを活 性化する上に重要な論点、ハードルは何があるかといったようなものを JAHIS の皆様にもご協力いた だき、考えていきたいです。

議論しなければならない論点はまだまだたくさんあります。医療情報を民間分野でも安全かつ効率的 に活用するためにはどのような環境整備が必要か、特に、日本のフィールドにおける研究開発の魅力を どのように対外的に発信していくか。また、患者や医師に医療情報の収集・提供に積極的に協力しても らうために、長期的な信頼関係が不可欠ですが、民間企業を含めた利活用者はどのような点に気をつけ なければならないのか。さらには、競争領域において適正な競争が行われるために、セキュリティ面の 配慮やグレーゾーンの明確化などの議論が必要なのではないか。

(9)

一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会、そして会員 の皆様方におかれましては、平素より総務省の ICT 政策にご支 援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

また、日頃から貴法人の「医療情報システム入門」を活用さ せていただいており、心より感謝申し上げます。

会誌 62 号が平成 30 年4月に発刊される予定とのことです ので、本稿では、総務省(情報流通高度化推進室)において平 成 30 年度に取り組みたいと考えている施策をご紹介させてい ただきます。

同施策は、大きな柱として以下の2項目から構成されています。 1 医療・介護・健康分野におけるネットワーク化の推進 2  医療・介護・健康分野における先導的 ICT 利活用研究の

推進

「1」については、総務省として、これまで、ICT の利活用 を推進する立場から、厚生労働省をはじめとする関係府省と連 携して、地域の医療機関間(病院と診療所など)の連携を中心 に実証や補助事業に取り組んできましたが、平成 30 年度は、 これに加え、医療機関と介護施設の連携(医療・介護連携に必 要なデータ標準化の推進等)、医療機関と個人の連携(遠隔診 療(オンライン診療)のモデル策定、EHR(Electronic Health Record、地域医療情報連携ネットワーク)と PHR(Personal Health Record、個人が自らの医療・介護・健康データを管 理・活用する仕組み)の接続にかかる課題抽出など)に関する 実証事業に取り組む予定です。

介護分野における ICT 利活用については、厚生労働省と総務 省が連携して効果的な取組を推進することとしており、厚生労 働省が①科学的介護の実現に向けたデータベース構築、②介護 事業所における生産性向上ガイドラインの作成、③介護事業所 間連携における ICT 標準仕様の作成に、総務省が①医療・介護 連携のデータ標準化に向けた実証、②介護分野における先導的 ICT 利活用モデルの構築に取り組むこととなっています。

遠隔診療(オンライン診療)については、厚生労働省策定の 新たな指針(ガイドライン)を踏まえ、主に技術的な観点か ら、適切なネットワークセキュリティの在り方や有効な本人確 認方法などを明確にし、安全かつ有効にオンライン診療を実施

ご挨拶

総務省情報流通行政局 情報流通高度化推進室長

渋谷 闘志彦

(10)

するための優良モデルの構築を目指したいと考えています。

なお、総務省では、平成 29 年度に、クラウド技術を活用し、多職種が双方向かつ標準準拠でつなが る EHR を整備する事業を支援する補助事業を全国 16 箇所で実施しましたが、この補助事業で得られた 課題、改善・解決策等をとりまとめて公表し、全国で高度かつ低コストの EHR が普及していく後押し をしていきたいと考えています。

また、同じく平成 29 年度には、全国の EHR を相互に接続する基盤の構築に向けた検証にも取り組み ました。標準規約によるデータ交換、セキュリティの確保といった様々な論点について、課題と対応策 をとりまとめました。この成果は、厚生労働省における全国保健医療情報ネットワークの本格稼働に向 けた検討の材料となっています。厚生労働省では、本実証事業も踏まえ、平成 30 年夏を目途に同ネッ トワークに関する工程表を示すことになっています。

次に、「2」については、今年度も実施している PHR を活用したサービスモデル及びプラットフォー ム構築の研究、AI を活用した保健指導システムの研究及び8K等高精細映像データ利活用の研究に引 き続き取り組む予定です。

PHR については、具体的に、①妊娠・出産・子育て支援、②疾病・介護予防、③生活習慣病重症化 予防、④医療・介護連携にかかる新たなサービスモデルの開発及びサービス横断的にデータを管理・活 用できる連携基盤(プラットフォーム)の開発に取り組みます。これらは平成 28 年度から3年計画で 進めており、平成 30 年度は最終年度としてその具体的な成果を取りまとめることになります。

8K等高精細映像データ利活用の研究については、外科医からのニーズが高い「8K内視鏡」の開発 などに取り組んでいます。8K内視鏡は、臓器への損傷やがんの取り残しを防ぐ、安全で質の高い手術 を行えるものと期待されています。将来、5Gの実現などにより、8Kなどの大容量映像の通信が円滑 に行えるようになれば、質の高い遠隔医療の実現・普及にも大きく資すると考えています。

なお、総務省では、平成 29 年8月から、「ASP・SaaS 事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に 関するガイドライン」の改定に向けた検討を進めています。改定のポイントとしては、① EHR(運営 主体)の位置付けの明確化、② PHR サービスの位置付けの明確化、③スマートフォン等のモバイル端 末で医療情報を取り扱う際の要求事項の整理などが挙げられます。平成 30 年度のできるだけ早期に意 見募集(パブリックコメント)を行い、6月頃までに改定を行いたいと考えています。

(11)

JAHIS 会員の皆様におかれましては、平素より JAHIS の事業運営にご理解ご協力を賜り、厚く御礼 申し上げます。新年度にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

今年度は 4 月に診療報酬と介護報酬の同時改定が行われました。また、8 月には高額療養費の改定も 予定されています。昨今、「働き方改革」が叫ばれている中、関係者にとっては暫く厳しい状況が続き ますが、JAHIS としては、関係機関との正確、かつ、迅速な情報共有により、各会員が確実に対応でき るよう、今後も取り組んでまいります。また、医療情報の標準化の策定や普及推進に関しても、行政、 学会、関連団体等と連携して、医療情報の相互接続性/相互運用性の確保、さらには医療安全/患者安 全にも貢献していきたいと考えております。なお、これらの活動を継続していくためには、人材確保と 育成が必要不可欠ですので、各会員の皆様のご理解ご協力をよろしくお願い申し上げます。

さて、わが国は世界に先駆けて超高齢社会に突入しました。医療費の高騰が続いており、健康・医療 政策やシステムの抜本的な改革が欠かせないと言われています。これからは健康寿命の延伸と、病気と 共存しながら QOL(Quality of Life)の維持向上を目指す医療に変わっていくものと思われます。政府 の「健康・医療戦略」や「官民データ活用推進基本計画」「未来投資戦略 2017」では、医療情報連携 ネットワークや AI などの技術を最大限活用し、「データ利活用基盤」を構築すると宣言しています。ま た、医療情報はその大部分が「要配慮個人情報」に該当するため、その機微な情報の保護と利活用推進 の両面で、改正個人情報保護法や次世代医療基盤法等、様々な法整備も行われています。ビッグデー タ、IoT/IoE 等の活用によるヘルスケア ICT への期待も益々大きくなっています。

ところで、健康・医療分野の ICT 化で最も重要なことはデータの精度です。AI のディープラーニング も、誤ったデータを学習させたのでは正しい結果を導くことができません。したがって、単に表示レベ ルでの情報伝達ではなく、二次利用を目的にする場合は、例えば HL7 等のインタフェース仕様、すな わち、「入れ物」を規定するだけでは十分ではありません。そこに含まれる用語や単位などを含めたコ ンテンツの表現方法の標準化が必要です。これには様々な課題があり、JAHIS だけで全て解決できるわ けではありませんし、一朝一夕で解決できるものでもありません。しかしながら、今後は医療機関から 出力されるデータに加え、健診施設や介護施設、さらには一般家庭から出力されるデータも活用されて いくと考えます。臨床系の学会を含め、関係する各種団体と共に協議し、課題解決に向けた検討の加速 化を図っていきたいと思います。

また、JAHIS は来年 4 月に創立 25 周年を迎えます。一つの節目の年になりますが、新しい時代に繋 がるよう、様々な社会課題を解決する「Society 5.0」の実現など、ICT を活用して国民一人ひとりが 「安全・安心・豊かさを実感できる社会」を形成できるよう、JAHIS も貢献していきたいと思います。

今後も、行政や学会、各標準化団体とも密接に連携しながら、医療情報標準化の推進、技術の向上、 品質及び安全性の確保を図り、国民の保健・医療・福祉に寄与するヘルスケア ICT を実現すると共に、 業界全体の健全な発展に貢献するよう、事業運営をしていく所存です。ご支援ご鞭撻を賜りますよう、 お願い申し上げます。

ご挨拶

運営会議 議長 (富士通㈱)

(12)

会員の皆様におかれましては、平素より、JAHIS 活動にご協力いただき、厚くお礼申し上げます。 昨年度は、会員数も過去最大となる 380 社を越え、ますます発展する工業会となりました。また、 売上高調査も 5,600 億円を超える結果となり、JAHIS の会員の皆様には順調にビジネスを伸長している ものと理解しております。

さて、今年度の診療報酬改定では、「テレビ電話などで患者を診る『遠隔診療』の報酬を新設」、 「ニーズに合わせた病床再編を促し、かかりつけ医の役割を強化」、「訪問診療や夜間・休日に対応する

かかりつけ医を対象に初診時に 800 円を上乗せ」、「介護と連携して在宅医療や施設でのみとりを進め る」など、新たなビジネス・ニーズや、再編や新規対応に伴う改修など会員各社の追い風になる部分も ある一方、調剤部門に目を向けると「いわゆる門前薬局は大手薬局グループの報酬を引き下げる」な ど、厳しい改定も見受けられました。

日本医師会の横倉会長は、日本歯科医師会、日本薬剤師会との合同記者会見で、2018 年度診療報酬 改定について「少ない改定財源でもそれなりの評価ができた」との見解を示しており、満点ではないも のの、現状から考えると妥当な結果だと判断しているようです。

このような環境の中、日本の経済成長とともに JAHIS の成長・発展に寄与する為、総務会としての JAHIS 中期計画 2021 を以下の3つの方針で推進することと致しました。

1.工業会の成長と健全な運営を行う為の会員数の確保

2. 会員サービスの充実や運営の効率化につながる各種システムやインフラ環境の見直し・整備(事 務局との協業)

3.ブランド価値の向上に向けた JAHIS 創立 25 周年記念イベントの企画・運営

具体的な施策としましては、

1.新規会員を増やし、退会する会員を減らす為の課題を洗い出し、対応策を検討する

2. JAHIS 運営の基盤となる各種システムやインフラ環境の改修を通して、会員並びに事務局運営に 対し利便性の向上や活動の活性化を図る(事務局との協業)

3. 2019 年に創立 25 週年を迎えるにあたって、記念イベントを通して JAHIS 内外に情報発信を行

ご挨拶

総務会 会長

(日本アイ・ビー・エム㈱)

(13)

JAHIS 会員の皆様におかれましては、平素より標準化推進にご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 標準化推進部会の部会長として、新年度にあたり抱負を述べさせて頂きます。

標準化の始まりは“度量衡”だと思われます。度は「長さ」、量は「体積」、衡は「質量」をそれぞれ 表しています。物を量る、測る、計ることによって、人類は発展して来ました。建築では材料の度量衡 にて様々な巨大な建造物が作られて来ましたし、人々の交流においては度量衡による物々交換に始まり 貨幣という標準に換えて発展して来ました。現在は、物、貨幣の交換に加え、データの交換が不可欠に なっております。そして、このデータ交換にはシステムとシステムを繋ぐことが必要で、それには標準 としてのプロトコルが必要となります。標準化の歴史は言い換えると何かと何かを繋ぐ歴史であり、人 類は標準化によって社会的無駄を排除しながら効率よく発展して来たのです。

昨今、色々なところで、“医療情報の標準化”が話題になっており、IoT によりモノとモノが何らか の標準を以って繋がります。

厚労省では、医療分野の情報化の推進について、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン の整備や、情報システム間で情報連携を円滑に行うための医療情報の標準化、広域な医療情報連携を行 うための実証事業等を実施しています。また、“2025 年(平成 37 年)を目途に、高齢者の尊厳の保持 と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで 続けることが出来るよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を 推進”しており、“ICT・AI 等を活用した医療・介護のパラダイムシフトの実現を目指し、インフラの 整備”を推進すると言っております。

このような取組みに対し、JAHIS は業界のさらなる活性化を図り、会員の皆様が安心して安全に活用 できる標準化を目指していきたいと思います。今年度も、地域包括ケアの高まり、「病院完結型」から 「地域完結型」の医療への転換、医療・介護・健康の連携政策などの世の中の動向に合わせて、ヘルス ケア IT による連携実現が重要であると考え、これを、効率的・効果的に実現するために、以下の 4 項 目について重点的に取組み、標準化の推進を図ってまいります。

(1)行政・学会・関連団体等との連携

(2)医療機器ソフトウェア規制の在り方や運用について関連機関との協力・連携

(3) 海外標準と日本の要件・状況との整合性の確保するための海外標準化団体との調整や日本から の標準化推進

(4)標準化を担う人材の確保・育成

今後とも、標準化の推進と普及活動を通じて、本会のますますの発展と、JAHIS 会員の皆様への貢献 に努力してまいりますので、何卒、会員の皆様のご支援の程、よろしくお願いいたします。

新年度の抱負

標準化推進部会 部会長

(キヤノンメディカルシステムズ㈱)

(14)

JAHIS 会員の皆様におかれましては、平素より医事コンピュータ部会の運営に絶大なるご支援を賜 り、厚く御礼申し上げます。医事コンピュータ部会の部会長として、新年度にあたり抱負を述べさせて 頂きます。

社会保障費の増大は今後も継続し、2025 年には医療給付 54 兆円 介護給付 20 兆円にのぼると言わ れています。「健康・医療戦略推進本部」が設置され全閣僚参画の下、超高齢化社会においても持続可 能な医療システムへの転換を目指し、医療のデジタル化 / ネットワーク化の進展、人工知能の加速的進 化、バイオ技術による新しい医療の創出などの技術環境は大きな役割を果たします。

こうした中、医事コンピュータ部会は、『効率的な医療の実現』に向けて、厚生労働省の各種事業へ の参画、及び中央社会保険医療協議会、MEDIS-DC などへの委員派遣などの対外活動を通して深く関 わってきました。

さらに、デンマークにおける医療保険制度・医療 ICT 化視察調査報告書や、診療報酬請求書等の記載 要領の電子化に関する調査研究事業の報告書等については、関係団体から高い評価を得て確かな歩みを 進めています。

今後ますますその活動の場は広がっていくものと考えています。

さて、2018 年度の事業活動ですが、中期計画にのっとり、これまでの活動を継続しながら、以下の 運営方針で推進する予定です。

1) 国の ICT 戦略の中で、ICT 活用の目的を明確にしながら関係機関と連携を取り課題解決に取り組 んでいく。

2) 医療/介護保険制度改正や診療/介護報酬改定等のスムーズな対応が実行できるよう、関係機 関・団体との連携を強化する。

3) 成熟した医事コンピュータビジネスの活性化を図るために、新規市場動向や先進 ICT 適用状況等 を調査し、行政等関係機関に提言を行う。また、会員のビジネス機会拡大に努めるとともに、情 報発信、会員サービスの向上に努める。

さて、この 4 月の改定についてですが、診療報酬改定、介護報酬改定は連携の機能を高め、将来の社 会環境を想定し、医療のあるべき姿に向かって仕組みつくりを実現していく、大きな改定内容になって

ご挨拶

医事コンピュータ部会 部会長 (PHC㈱)

(15)

JAHIS 会員の皆様におかれましては、平素から医療システム部会活動にご協力を賜り、厚く御礼申 し上げます。新年度をスタートするにあたりまして、一言ご挨拶申し上げます。

政府の主導により、2020 年までの 5 か年間を「集中取組期間」として、医療等分野における ICT 化 を徹底的に推進する各種の施策が遂行されております。このような状況において医療システム部会は、 従来から患者安全への寄与と医療への貢献を目的とした情報活用基盤の拡大を推進することを事業方針 とし、今年度も以下の活動を継続的に行う事業計画としています。

(1)高品質な医療システム製品と付加価値サービスの提供 (2)医療情報標準化の策定と普及推進

(3)セキュリティ基盤の整備

(4)品質安全管理とリスクマネジメントの強化

これらはいずれも医療等分野における ICT 化の推進・発展に寄与すべく活動しているものですが、そ の推進にあたり、JAHIS 他部門のみならず関係団体との協力・連携が重要となってきています。

昨年度から関係団体と協力・協調して新たに取り組んだ活動の一例としまして、クリニカルパスの標 準化等に関する電子カルテ委員会と関係学会との協議や、医療材料・医薬品のトレーサビリティに関す る部門システム委員会と関係団体との協調活動などを実施しています。また検査システム委員会では、 昨年 5 月に東京で開催された IHE PaLM(Pathology and Laboratory Medicine:臨床検査・病理)の国 際会議への協力などを通じて、従来からの国内及び国際関係団体との協調関係を継続するとともに、海 外の標準化動向の調査と国内への展開を強化しています。このような状況で医療システム部会の精鋭 メンバが横断的な JAHIS 活動を担う場面は益々増えており、活動に参画して頂いている会員の方々に 非常に感謝しております。今年度も電子処方箋実装ガイドの改定、厚生労働省の安全ガイドラインの改 定、新たなテーマの検討(介護連携,データ利活用)にあたり、より JAHIS 他部門及び関係団体との 協力・連携を深めて推進していきます。また、成果物や活動内容については、業務報告会やセミナー等 でアピールして、会員の皆様の事業に貢献し JAHIS 活動への更なる参画を促していき、継続的な組織 活動と体制強化を進めていきます。

最後になりますが、会員各位ならびに関係者の方々の引き続きのご理解とご協力を賜わりますことを お願いして、挨拶に代えさせていただきます。

新年度のご挨拶

医療システム部会 部会長 (㈱日立製作所)

(16)

JAHIS 会員の皆様には、平素より保健福祉システム部会の運営にご協力を賜り、厚く御礼申し上げ ます。新年度にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

さてわれわれを取り巻く環境ですが、2017 年 6 月には「未来投資戦略 2017」が閣議決定されまし た。5 つの戦略分野が掲げられ、その筆頭に挙がっているのが「健康・医療・介護」になります。健康 管理と病気・介護予防、自立支援に軸足を置いた、「新しい健康・医療・介護システム」を構築するこ とが謳われています。また厚生労働省のデータヘルス改革においては、保健医療データプラットフォー ム構想などが掲げられており、ネットワーク化やビックデータ活用の観点で、ますます推進されるもの と思われます。特に本部会では「科学的介護の実現」に関わる事案、対応が多くなっており、対外活動 などを通して積極的に関わっています。現在、当部会では地域医療システム委員会、健康支援システム 委員会、そして福祉システム委員会を設置し、その中で適宜WGなどを立ち上げ、各種課題等に取り組 んでいるところでありますが、更に加速させていく必要があると思っています。それらを踏まえ、当部 会では今年度、以下の事業方針のもと取り組んでまいります。

(1) 個人・患者単位で最適な健康管理・診療・ケアを提供するための基盤としての「全国保健医療 情報ネットワーク」を活用した地域の保健・医療・福祉・介護の連携、施設間や多職種間での 連携データの標準化・普及、PHR等の実現に向け、関係省庁事業への参加や行政機関、関係 団体への積極的な提言を実施し、業界のビジネスの創出を図る。

(2) 「保健医療データプラットフォーム」及び保健医療ビッグデータ活用推進に向け、引き続き関係

機関・団体と連携し検討会等に委員を派遣する等、各種健診関連システムの普及やデータヘル ス計画の効果的な実施に資する活動・提言を実施する。またヘルスソフトウェア、ビックデー タ分析、PHR の活用等に関連した調査や提言を行い、健康情報活用ビジネスの創出・拡大を図 る。

(3) 現在検討が進められている新被保険者番号、オンライン資格確認等を活用した新たな保健医療 サービスについて、関係機関と連携を図り、情報システム分野の専門家として効率的なシステ ム構想を提言していく。

(4) JAHIS 他部門の委員会等との連携による積極的な情報収集に基づく会員への情報提供、関係省 庁・関係機関・学会への積極的提言を実施する。

新年度のご挨拶

保健福祉システム部会 部会長 (㈱NTTデータ)

(17)

事業推進部部長を務めております NEC の青木です。JAHIS 会員の皆様には、事業推進部の運営に多 大なるご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて事業推進部の主たる活動は、教育事業と展示博覧会対応でありますが、2 月 20 日定例理事会で 承認された「中期計画2021」の事業推進部各委員会および WGの取り組みについて以下に紹介します。

1.事業企画委員会

   中計期間では、昨年発行した書籍「医療情報システム入門四訂版」を 2020 年 3 月に改版する予 定です。また業界動向を踏まえ、電子処方箋・CDA・オンライン診療、医療介護連携、データ 利活用等、会員に広く影響する事案に対して新規セミナーを企画・実行していきます。

2.教育事業委員会

   定常的に実施している教育コース(医療情報システム入門コース、介護請求システム入門コース 等)の開催とりまとめ、また昨年からスタートした旬な話題を情報提供する勉強会および要員育 成のための勉強会の企画・実行を行ないます。現在は JAHIS 事務所での開催が主ですが、遠地 の方を考慮しサテライト受講やビデオ撮影による Web 配信等の検討を行いたいと思います。 3.ホスピタルショウ委員会

   毎年 7 月に東京ビッグサイトで開催される国際モダンホスピタルショウの対応を行ない、 「JAHIS の存在をアピール」「出展企業増加」「新規入会促進」を目的に活動していきます。中計

期間には東京オリンピックパラリンピックがありますので、その対応も検討する必要がありま す。なお 2019 年はビックサイト、2020 年は東京テレポート付近に仮設される展示会場で開催 できる見込みと聞いています。

4.日薬展示委員会

   これも例年の行事ですが日本薬剤師会学術大会併設 IT 機器展示の出展とりまとめを行ないます。 2018 年は金沢、2019 年は下関、2020 年は札幌での開催が決まっており、出展とりまとめを受 託できるよう、早期に県薬剤師会への働きかけを行なってまいります。

5.展示博覧会検討 WG

   新しい話として、リードエグジビションジャパン社主催のメディカルジャパン医療 IT ソリュー ション展への出展依頼が来ており、JAHIS 会員にとってメリットがあるかどうか検討していきま す。

最後になりますが、事業推進部は「工業会参加価値の追求」を基本方針とし、JAHIS各部会の横断的な 協力を得ながら活動を推進してまいります。皆様のご支援、ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

ご挨拶

事業推進部会 部長 (日本電気㈱)

(18)

1.はじめに

2017 年 9 月 11 ∼ 14 日にシンガポールのマリーナベイ・サンズのコンベンションセンターにて、 30 か国が参加する「HIMSS AsiaPac17」が開催された。今回のテーマは「TEAM-BASED CARE: Unifying Patients and Providers」(チームベースのケア:患者とプロバイダーの一体化)である。6 つ の基調講演の他、Population Health、Collaborative Care、Data & Technology、Value-Based Care、 IHIS、Nursing の各カテゴリでの講演があった。個別カテゴリの中では、地域住民の健康を管理する PHM(Population Health Management)の動向に注目した。

HIMSS AsiaPac17視察

運営会議 議長 (富士通㈱)

(19)

HIMSS(Healthcare Information and Management System Society)は 1961 年に米国で設立され た非営利組織であり、現在個人会員 64,000 名以上、企業会員 640 社以上が参加するヘルスケア IT 関連 の世界最大の組織である。シカゴに本部を置き、ヨーロッパ(ベルリン)やアジア(シンガポール)等 に支部を置いている。HIMSS としては設立翌年の 1962 年に米国ボルチモアで第 1 回大会を開催してい るが、アジア環太平洋地域を中心とした HIMSS AsiaPac が開催されたのは 2007 年シンガポールでの 大会が最初であり、今年で 11 回目の開催となった。(シンガポールでは 5 回目、日本での開催はない)

2.プレカンファレンス(11日)

HIMSS AsiaPac17 のプレカンファレンスとして、IHE Word Summit が 11 日に開催された。ご存 じの通り、IHE は Integrating the Healthcare Enterprise の略で医療情報システムの相互接続性を推進 する国際的なプロジェクトである。IHE では医療現場での統合プロファイル(業務シナリオ)の分析、 DICOM や HL7 等の標準規格を採用したテクニカルフレームワークの策定、コネクタソンでの接続テス ト、普及推進活動、医療現場での評価というサイクルを繰り返して活動を行っている。

(20)

   

さらに、IHE-EU の Co-Chair であるオーストリアの Jurgen Brandstatter 氏から「モバイルヘルスと FHIR」について報告があった。mHealth には eHealth が必要であり、PIX や PDQ を mPIX や mPDQ と して新たに定義していた。PCHA(Personal Connected Health Alliance)との協調も視野にいれてい るとのこと。但し、この構想はまだ具体化していないかもしれない。また、IHE-Korea は、現状の日本 と比較すると、今はコネクタソンの検証範囲も限定しており、参加企業も少ないが、国からの支援もあ り、今後、さらに強化していく印象を受けた。

(21)

午後からは、オーストラリアの Rachel De Sain 氏、マレーシアの Fazilah Shaik Allaudin 氏、Azrin Zubir 氏から、それぞれ「IHE と eHealth 戦略」について発表があった。オーストリアの Herlinde Toth 氏や香港の Wing Nam Wong 氏、マレーシアの Fazilah Shaik Allaudin 氏からも同様な事例報告があっ た。IHE- マ レ ー シ ア か ら は、MyHIX(Malaysia Health Information Exchange) が 紹 介 さ れ た。 サマリからはじめ、徐々にレポート類まで対象範囲を広げていくとのこと。AeHIN(Asia e-Health Information Network)の紹介もあった。

その後、オーストリアの Alexander Schanner とオーストラリアの Trish Williams 氏からサクセス ストーリーの報告があり、最後に、HIMSS の Vice-Chair Elect である Michael Nusbaum 氏をモデ レータとして、IHE-International の Co-Chair である USA の Michael McCoy 氏、フィリピンの Asian Development Bank の Susann Roth 氏、HIMSS International の Executive Vice President で あ る USA の Jeremy Bonfi ni 氏、HL7 の Chairperson であるシンガポールの Adam Chee 氏の 4 名によるパネルディ スカッション(アジアにおける IHE 戦略構想)が行われ、閉会となった。

会場は定員 75 名程度の部屋で、こじんまりした感じではあったが、開会時は満席であり、参加者 による活発な意見交換が行われた。これからはどの国も個人の健康医療データに着目した「mHealth」 「eHealth」が中心になってきており、日本も世界のスピードに遅れてはならないと感じる。なお、日

本からは発表者 2 名と安藤代表理事をはじめ、IHE-Japan 関係者が計 6 名参加しており、私も一部合流 した。

3.メインカンファレンス(12 ∼ 13日)

(22)

次に、最初の基調講演として、シンガポール保健省の CIO である Bruce Liang 氏が「チームベースの ケアを可能にする技術の役割」を報告した。ヘルスケアが複雑になるにつれて、患者ケアを提供するた めの機敏で多面的なアプローチ(チームベースのケア)にますます重点が置かれている。シンガポー ル政府は医療機関が保有する患者の医療情報について、必要な時に関係者が共有できる仕組みである、 NEHR(National Electronic Health Records)を積極的に推進しているとの紹介があった。「国民 1 人 に 1 つのカルテ(One Patient, One Health Record)」というビジョンを発表した後、直ちに公立病院 間の電子カルテの共有を実現する等、着実に成果を上げていることをアピールしていた。HealthHub、 National TeleHealth Platforms、CCMS(Care & Case Management System)等の事例紹介もあった。 そして、「When ‘I’ is replaced by ‘we’, even ‘illness’ becomes ‘wellness’.」というスライドを 示し、演説の最後を締めた。

(23)

役に立たず、AI を活用したより免疫型(入り込んだものを免疫のような形で排除する方式)対策が必 要であり、実際にそのサービスを展開していることが紹介された。また、IBM Asia Pacifi c の Farhana Nakhooda 氏とシンガポール国立眼科センターの Desmond Quek 氏は「デジタル改革から認知的未来 へ:新しいテクノロジーがより健康的な明日のために産業を変えていく方法」を報告した。眼科領域 での医用画像への AI アプローチは興味深い。さらに、オーストラリアの Charles Sevior 氏による「ゲ ノム革命に向けて:次世代シークエンシングにおける大きなデータボトルネックへの取組み」の報告 では、次世代 DNA シークエンシング技術が革命を起こすとし、最新のコンピューティング技術とスト レージ技術の概説があり、ゲノミクス IT 環境として Edico Genome プラットフォームが紹介された。

4.企業展示

12 ∼ 13 日は企業展示も併設され、45 団体が出展していた。スポンサー企業(Diamond、Gold、 Silver Sponsors)が中心で、会場の入口正面に IBM(Watson)のブースがあり、その両脇を米国の電 子カルテベンダである AllScript と Epic がブースを構えていた。いずれも HIMSS の Diamond Sponsors である。残念ながら、彼らは文字コード体系が異なる市場には興味ないようである。日系企業は富士通 とサトーの 2 社のみであった。

5.考察

(24)

Medical Record Model(EMRAM)のステージ 6 以上を達成している等、大きな飛躍を続けている。国 のサポートによる SMART ヘルス構想も進められており、テレヘルス(遠隔医療)技術の実装も進んで いる。AsiaPacifi c におけるシンガポールの位置付けが大きくなっているといえる。

今、日本では電子カルテや地域医療連携を推進しているが、グローバルな視点で考えると極めて狭い 範囲での医療情報連携に留まっているのかもしれない。シンガポールを中心に、AsiaPacifi c の各国は、 米国をベースに考えており、IHE、HL7、DICOM、LOINC、SNOMED 等の国際的な標準規格(手順) や用語を使用することが当たり前であり、国同士での情報連携も視野に入っている。

2020 年の東京オリンピックを控え、現在、外国人の来日は増加傾向にあり、世界各地との医療情報 の共有は重要な課題である。日本独自の保険制度の影響もあるが、ユーザとベンダの相互理解(共通認 識)と、標準技術を採用した医療情報基盤の構築とスピード感をもった普及施策が必要不可欠である。 日本も他国と同様に、国際的な医療情報基盤のビジョンを描き、それに対し、効果的な国家資源の投入 と、より具体的な中長期計画に基づいた確実な実行力が必要であろう。したがって、日本も世界中で重 要な社会インフラ整備に貢献できるよう、最新標準技術の採用はもちろん、JAHIS としての官公庁(あ るいは政治家)へのアプローチも急務と考える。

政府の「健康・医療戦略」や「未来投資戦略 2017」では、ビッグデータや AI などの技術を最大限 活用し、個人・患者本位で、最適な健康管理と診療、自立支援に軸足を置いた介護など、「新しい健 康・医療・介護システム」を構築することで、健康寿命の延伸と高齢者の自立した生活を実現すると宣 言している。様々な社会課題を解決する「Society 5.0」の実現など、ICT を利活用して国民一人ひとり が「安全・安心・豊かさを実感できる社会」に JAHIS も貢献してきたい。また、国連 SDGs 分野 3(保 健医療福祉)においても、医療情報の標準化は社会インフラ整備に貢献する。例えば、日本で開発した 規格の国際標準化を進めることで、保健医療分野(地域連携、病病連携,病診連携、診療データの二次 利用等)での国際連携および市場拡大が期待でき、経済効果も大きい。日本が世界に貢献できるよう、 もっと技術力をアピールしていきたい。

(25)

(ご参考)Pre-Conference IHE Word Summit Program

PRE-CONFERENCE (IHE WORLD SUMMIT )  Monday, 11 September 2017

Registration and Coff ee

Opening Keynote, Including IHE Essentials Dr. Michael McCoy, Co-Chair, IHE International, USA

VIP Keynote Speech: HIE from the Perspective of Investment and Sustainability

Dr. Susann Roth, Senior Social Development Specialist, Sustainable Development and Climate Change Department, Asian Development Bank, Philippines

Thematic Block: "IHE in Production & Evolution"

IHE Futurezone: Mobile Health & FHIR

Jürgen Brandstätter, Member, IHE International Board, Co-Chair, IHE Europe, Austria Coff ee Break

IHE Reality Zone: Conformity Assesment

Yasunari Shiokawa, Senior Healthcare Information Technologist, Toshiba Medical Systems Corporation, Director, IHE Japan

IHE Update Out of: Korea

Dr. Sungkee Lee, Professor, School of Computer Science and Engineering, Kyungpook National University, Co-Chair, IHE Korea

IHE Update Out of: Japan

Dr. Michio Kimura, Professor and Director, Medical Informatics Dept., School of Medicine, Hamamtsu University, Chair, IHE Japan

IHE Update Out of: Taiwan

Dr. Der-Ming Liou, Vice Superintendent, Kaohsiung Medical University Chung-Ho Memorial Hospital, Chairman, IHE Taiwan

IHE Update Out of: Australia

Dr. Vincent McCauley, Chief Medical Offi cer, Emerging Systems, Telstra Health, Chair, IHE Australia

IHE Update Out of: China

Tony Cui, CEO, Hinacom Software and Technology, Chair, IHE China Networking Lunch

How Does IHE Contribute to Your eHealth Strategy: Australia

Rachel De Sain, Executive General Manager, Innovation & Development, Australian Digital Health Agency, Australia

How Does IHE Contribute to Your eHealth Strategy: Malaysia

"Dr. Fazilah Shaik Allaudin, Head, eHealth Planning Unit, Planning Division, Ministry of Health, Malaysia Dr. Azrin Zubir, Chief Executive Offi cer, Meridian Project Management Sdn Bhd (MPMSB), Malaysia"

How Does IHE Contribute to Your eHealth Strategy: Hong Kong / Vienna - IHE as the Escape from the "Early Adopter Trap"

"Herlinde Toth, eHealth Coordinator, Vienna Hospital Provider, Austria

Dr. Wing Nam Wong, Chief Manager (eHR), Consultant (Special Project), Hong Kong Hospital Authority, Hong Kong SAR"

How Does IHE Contribute to Your eHealth Strategy: AeHIN - IHE for Low Middle Income Countries

Dr. Fazilah Shaik Allaudin, Head, eHealth Planning Unit, Planning Division, Ministry of Health, Malaysia Coff ee Break

Success Story: Sustainable Image Sharing on Province Level

Dr. Alexander Schanner, Medical IT Services, Lower Austria Hospital Provider Holding, Austria

IHE & ISO: A Successful Team in Many Ways

Professor Trish Williams, Cisco Chair and Professor of Digital Health Systems, Co-Director of Flinders Digital Health Research Centre, Flinders University, Australia

Panel Discussion: "IHE's Strategic Future in Asia"

"Dr. Michael McCoy, Co-Chair, IHE International, USA

Dr. Susann Roth, Senior Social Development Specialist, Sustainable Development and Climate Change Department, Asian Development Bank, Philippines

Jeremy Bonfi ni, Executive Vice President, HIMSS International, USA

Dr. Adam Chee FHIMSS, FACHI, FRSPH, Founder & Chief Advocacy Offi cer, Binary Healthcare, Chairperson, Health Level 7 (HL7), Singapore

Moderator: Michael Nusbaum, Vice-Chair Elect, HIMSS Board of Directors" Closing

(26)

(ご参考)Main-Conference Program

MAIN CONFERENCE DAY 1  Tuesday, 12 September 2017

Registration and Coff ee

Opening Ceremony

Welcome Address

Stephen Lieber, President & CEO, HIMSS, USA

Harold 'Hal' Wolf III, (Incoming) President & CEO, HIMSS, USA

Opening Address

Mr. Chee Hong Tat, Senior Minister of State, Ministry of Health, Ministry of Communications and Information, Singapore Opening Keynote Session 1: Role of Technology in Enabling Team-Based Care

Bruce Liang, CEO, Integrated Health Information Systems Pte Ltd, Chief Information Offi cer, Ministry of Health, Singapore Keynote Session 2: Progress Towards AI-Enabled Care

Dr. Dominic King, Clinical Lead, Google DeepMind, United Kingdom Networking Coff ee Break

Population Health Track IHiS Track Nursing Track

Keynote Session P1: Making Health IT Patient Centered

IHiS Session 1: Opening Address Keynote: Disrupting Nursing Practice in a Positive Way

IHiS Session 2: Architecting for National Health IT / NEHR

Self Reported Informatics Competencies Among Nurses in Singapore: Preliminary Findings

Nursing Informatics Roadmap and Competencies in the Philippines Networking Lunch Networking Lunch Networking Lunch

Session P2: Healthcare 3.0 - New Paradigm Required for Health and Care Deli

IHiS Session 3: Empowering Care Team with Predictive Analy

Can Nurses Lead Community-Based and People-Centered Care? The Buurtzorg Home Care

Session P3: A Population Health Approach to a Technology Investment Programme

IHiS Session 4: Population Health Management - Digital Services via HealthHub and TeleHealth

Creating an Organizational Culture of Patient Safety: Nurses, Physicians and Allied Health Members

Session P4: Managing Healthcare Costs with Digital Health

IHiS Session 5: Technology Enablement for Pharmacy - Beyond Pharmacy to Patient

Nursing Innovation Showcase Challenge

Session P5: Breakthroughs with Neural Networks and AI - Predictive Modeling Comes Alive

IHiS Session 6: Healthcare Delivery from Hospital to Community - Health Marketplace

Clinical Decision Making and Patient Safety Through Informatics Using JETS (JurongHealth Escalation Trigger Score) Networking Coff ee Break IHiS Session 7: Empowering Care Team

Through SMART Sys

Networking Coff ee Break

Session P6: Olympics Healthcare Interoperability (OHI) Inititiative - Using the Games to Advance Global HIT Implementation

IHiS Session 8: Establishing Scalability & Resiliency in IT - HCloud

Data, Evidence-Based Practice and Clinical Decision Making in Clinical Care

IHiS Session 9: Cybersecurity Trends Impacting Healthcare

Nurses' Role in Achieving Robust Cybersecurity in a Hospital Environment HIMSS Analytics Special - EMRAM

Criteria Update

IHiS Industry Briefi ng Panel Discussion: Nursing in a Digital Age

(27)

(ご参考)Main-Conference Program

MAIN CONFERENCE DAY 2  Wednesday, 13 September 2017

Registration and Coff ee

Keynote Session 3: The New Era of Cyber Threats: The Shift to Self-Learning and Self-Defending Networks

Sanjay Aurora, Managing Director, Darktrace, Asia Pacifi c, Singapore

Keynote Session 4: From Digital Reinvention to a Cognitive Future: How New Technologies Are Transforming the Industry for a Healthier Tomorrow

"Farhana Nakhooda, Director, Healthcare & Social Services, IBM Asia Pacifi c, Singapore

Dr. Desmond Quek MMed(Ophth), FRCS(Ed), FAMS, MBA, Consultant, General Cataract and Comprehensive Ophthalmology Department, Singapore National Eye Centre, Singapore"

Networking Coff ee Break

Keynote Session 5: Improving Team-Based, Collaborative Care and Physician Effi ciency Through an EHR Optimization Strategy

Dr. Michael Pfeff er M.D, FACP, Assistant Vice Chancellor and CIO, UCLA Health Sciences, USA

Keynote Session 6: The Move to Value-Based Healthcare

Bob White, Senior Vice President & President, Asia Pacifi c, Medtronic, Singapore Networking Lunch

Data & Technology Track Collaborative Care Track Value-Based Care Track

Session D1: Powering the Genomic Revolution: Tackling the Big Data Bottleneck in Next-Generation Sequencing

Session C1: Charting the Road to Clinical Eff ectiveness

Keynote Session V1: Case Studies in Value-Based Healthcare: From Theory to Implementation

Session D2: Protect Your Hospital IT, Protect Your Patient

Session C2: The Siemens Healthineers

Digital Ecosystem Session V2: Reducing Clinical Variation Through Analytics Session D3: IoT-Based Healthcare

Services and Incubation Project

Keynote Session C3: Establishing a Big Data Platform for Intelligent Connectivity Between Patients & Provider

Session V3: Solving the Perennial Conundrum of Access, Cost & Quality in SingHealth Polyclinic - Value Care Through Disruptive Innovation Session D4: #PutData2Work

Networking Coff ee Break Networking Coff ee Break

Networking Coff ee Break Session C4: Using Analytics to Support Integrated Care

Session V4: Value-Based Care = (Quality ÷ Cost) x Patient Engagement Keynote Session D5: How Healthy is

Blockchain Technology? Session C5: Healthcare Everywhere Session V5: Panel Discussion: The Road to Value Based Healthcare - Achieving High Quality Care and Reducing Healthcare Wastages Session D6: If You Build It, They Will

Come: Machine Learning Delivered Via an Ideal Organizational Structure

Session C6: Continuum of Care at Home: Navigating Complex Care Pathways from the Comfort of One's Home

Session Transition

Closing Keynote Session 7: Humanizing Health Care: Innovation as a Strategic Impera

"Dr. Rasu Shrestha, Chief Innovation Offi cer, University of Pittsburgh Medical Center; Executive Vice President, UPMC Enterprises, University of Pittsburgh Medical Center, USA

(28)

(ご参考)Exhibitors & Floorplan

Organization Organization Organization

Agency For Integrated Care IBM Pure Storage

Allscripts Icegan computing Pte Ltd Qlik / SIFT Analytics

Asian Scientist IHis Samsung SDS

DELL EMC IMO SATO

DT Research, Inc. InterSystems Siemens Healthineers

DXC Technology Ipswitch SNOMED CT

Elsevier Krixi Care Systmz

Epic Lemon Healthcare Corporation Tableau

ExtraHop Networks Manorama Infosolutions Taylor & Francis

Fujitsu Medicomp Systems Telemedicine in JAPAN

Greenline Synergy Medtronic T-System Singapore Pte Ltd The HCI Group Napier Healthcare Solutions Unify

Charlton Media (Healthcare Asia) NuboMed Technology Vital

HP Inc. OneView Healthcare Wellsoft

Humanscale Philips Wolters Kluwer

(29)

1. はじめに

HIMSS AsiaPac17 が、2017 年 9 月 11 日 か ら 14 日 ま で の 4 日 間、 シ ン ガ ポ ー ル の Marina Bay Sands ホテルに隣接するコンベンションセンターで開催されました。

HIMSS(Healthcare Information and Management System Society)は、「医療向上のため医療 IT の 最適普及をグローバルにリードする」ことを目的として、1961 年に米国で設立された非営利団体です。 個人会員 64,000 名以上、企業会員 640 社以上が参加する医療 IT 関連では世界最大の組織です。

毎年春に米国で開催される医療 IT 関連では世界最大規模の講演会・教育セッション・展示会の総合 イベントをはじめとして、世界各地でイベントを開催しています。その一つであるアジア太平洋地域を 対象とした HIMSS Asia Pac は、2007 年にシンガポールで第 1 回が開催されて以降、香港、マレーシ ア、中国、韓国、オーストラリア、タイなどアジア各地で毎年開催されており、11 年目の今回はシン ガポールでの開催となりました。

シンガポールでは 1980 年代から国の政策として情報化推進に取り組んできており、医療分野におい ても National EHR(Electronic Health Record)を政府主導で計画的に進めています。今回の HIMSS Asia Pac17 もシンガポール保健省の全面的な協力のもと、開催されました。

JAHIS ではグローバルの視点から、HIMSS Asia Pac 視察を定点観測として実施してきており、本年 も 1 名による調査を実施しました。

2. HIMSS AsiaPac17全体概要

今回の HIMSS Asia Pac のテーマは、“Team-Based Care: Unifying Patients and Providers”で、前 回のテーマ“Advancing Digital and Patient-Centered Care”に「チーム」というキーワードが追加さ れています。限られたリソースで患者中心の医療を実現するためのチーム医療における人とテクノロ ジーの役割を主題として講演が行われました。

来場者数は約 1,000 名、出展企業数は 45 社と、前回(開催国タイ、来場者約 1,500 名、出展企業 59 社)に比べると減少していました。前々回(開催国シンガポール、来場者約 1,700 名、出展企業 66 社)と比べても減少傾向にあるようです。

9 月 12 日、13 日 に は、 メ イ ン・ カ ン フ ァ レ ン ス と し て、 基 調 講 演 と「IHiS」、「Nursing」、 「Population Health」、「Collaborative Care」、「Data & Technology」、「Value Based Care」の 6 つの

HIMSS AsiaPac17視察

国際標準化委員会 委員 (日本光電工業㈱)

(30)

カテゴリで講演が行われました。

またメイン・カンファレンス前日の9月11日にはプレ・カンファレンスとして、「IHE World Summit」、「Smart Nursing Competency Workshop」、「Cybersecurity Essentials for Healthcare Executives」の 3 つのプログラムが、メイン・カンファレンス翌日の 9 月 14 日にはポスト・カンファ レンスとして、シンガポールの公立病院視察ツアーが開催されました。

3. メイン・カンファレンス

 1)基調講演

メイン・カンファレンスは、HIMSS President & CEO の Harold ‘Hal’ Wolf III 氏による歓迎挨 拶と、シンガポール保健省の Chee Hong Tat 上級国務大臣による開会演説で始まりました。開会 演説で Chee Hong Tat 氏は、National EHR の概要と現状について述べ、シンガポールの医療情 報化が着実に進んでいることを示しました。続いて、シンガポール保健省の CIO を務める Bruce Liang 氏が、

「テクノロジーがチーム医療を促進する役割を果たす。時間と空間を超えたコラボレーションに は、IT アーキテクチャ、ソリューションデザイン、スタンダード、ポリシーが重要である。」

と述べ、今後も政府主導で積極的に医療情報化を推進する姿勢を改めて示しました。

オープニングの基調講演では、Google 社の DeepMind 、IBM 社の Watson、Darktrace 社の自 己学習防御システムといった AI 技術に関するプレゼンテーションが行われ、多くの聴衆の関心 を引き寄せていました。なかでもIBM 社は、Watson の Nature language technology を利用し て、入院中に不安を感じている子供の話し相手をするアプリケーションという、UK の Alder Hey Children’s Hospital での AI活用事例を紹介し、AI はチーム医療をサポートするだけでなく、チー ムの一員にもなり得ることを示しました。

クロージングの最終講演では、米国ピッツバーグ大学医療センターのRasu Shrestha医師が登壇し、 「チーム医療の実現には、コミュニケーション、共感、自己主張、知的好奇心と創造力といった ソフトスキル(人間力)が重要である。」

と述べ、“テクノロジー”で始まった今回のイベントを“人”で締めくくりました。

 2)一般演題

図 -1:パンフレット Vol.1 ∼ 3 パンフレット Vol.1 では、「これだけは知っておきたい医療情報システムの標準化関連用語 Vol.1」を 作成した。このパンフレットはアンケートにてスコアが著しく低かった若手営業マン向けに作成され、 「厚生労働省標準規格」「HELICS」「JAHIS 標準」「IHE-J」「SS-MIX」「MEDIS 標準マスタ」について 解説を載せることにした。また、いつでも見ることができるようにパンフレットにミシン目を入れるこ とにより、カード形式にして保管し、携帯できるよう

参照

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